絵画教室の持ち物リストに「イーゼル」と書かれていて、何のことか分からず手が止まる人は多いです。
イーゼルは日本語で「画架(がか)」といい、描く絵を立てて固定する台のことです。
意味が分かったら、次に迷うのは形と高さです。描く絵の大きさと、座るか立つかが分かれば選べます。
イーゼルとは日本語で「画架」 絵を立てて固定する台
イーゼルとは、キャンバスやスケッチブックを立てて動かないように固定する台で、日本語では「画架」と呼びます。英語の綴りは easel です。
画架の読み方は「がか」です。絵を描く人の「画家」と同じ音ですが、こちらは「架ける台」の「架」を使います。
画材店や絵画教室では、ほとんどの場合「イーゼル」と呼ばれています。「画架」は辞書や美術の教科書で目にすることが多い言葉です。
よく似た言葉に「画板(がばん)」があります。画板は、紙を留めて首から下げたり膝に置いたりする平らな板です。
画板は紙を載せる板そのもので、画架はその板やキャンバスを立てる台です。小学校の写生会で使ったのが画板、美術室に並んでいた木の台が画架と覚えておくと区別しやすいです。
使われ始めた時期は古く、古代エジプトのレリーフにはイーゼルに似た台が残っています。1世紀のローマでは、大きな板の絵を載せる台として使われていたという記録もあります。
イーゼルとは何をする台か 両手が空いて絵がゆがまない
イーゼルを使うと、絵を手で持たなくて済みます。両手が空き、絵の角度も毎回同じになるので、形のゆがみが出にくくなります。
膝の上や机に置いて描くと、体が動くたびに絵の向きも少しずつ変わります。モチーフと絵を見比べるときの角度がずれるので、デッサンの形がくるいやすいです。
イーゼルに固定しておけば、顔を上げてモチーフを見て、そのまま絵に目を戻せます。長い時間描いても姿勢が楽なので、デッサンを習い始めた人ほど使っておくと上達が早いです。
形で分けるイーゼルの種類 三脚型とH型と卓上型
イーゼルの形は大きく3つです。描く絵が30号より小さいなら三脚型、それより大きいならH型、机で描くなら卓上型を選びます。
三脚型イーゼルとは 軽くて畳める形
3本の脚で立つ形です。広げるだけで立ち、使い終わったら畳んで部屋の隅に置けます。
値段が手ごろなものが多く、初めてのイーゼルとして選ばれやすい形です。一方で、脚が3本なので大きなキャンバスを載せるとぐらつきます。スケッチや木炭デッサンのように、30号より小さい絵に向いています。
H型イーゼルとは 4本脚で重いキャンバスも立つ形
2本の縦の柱と横の支えで、正面から見るとH字に見える形です。脚が4本あるので、油絵の大きなキャンバスを載せても倒れにくいです。
そのぶん本体が重く、置き場所も取ります。部屋に置きっぱなしにできる人向けの形です。
卓上イーゼルとは 机の上で使う小型の形
机に置いて使う、高さ50cm前後までの小さなイーゼルです。はがき大の水彩画や、小さなキャンバスを描くときに使います。
描くだけでなく、写真や小さな絵を飾る台としても使えます。絵を描かない家でも、1つあると玄関や棚の上で役に立ちます。
| 形 | 向いている絵の大きさ | よい点 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|---|
| 三脚型 | 30号より小さい絵 | 軽くて畳める | 大きい絵はぐらつく |
| H型 | 大きい油絵やアクリル画 | 倒れにくい | 重くて場所を取る |
| 卓上型 | はがきからF6号ほど | 机で使える | 立って描けない |
使う場所で分けるイーゼル アトリエ用と野外用と展示用
イーゼルは使う場所でも3つに分かれます。家で描くならアトリエ用、外で描くなら野外用、飾るだけなら展示用で十分です。
アトリエ用は、部屋に据え置いて使う大きなイーゼルです。大型のものになると、高さ2mを超える板や、100kgほどの重さの作品まで載せられます。
野外用は、外へ持ち出してスケッチするための軽い折りたたみ式です。重さが1kg前後のものもあり、収納袋に入れて肩にかけて運べます。風が強い日は倒れやすいので、脚に重りを下げると安定します。
展示用は、描くためではなく完成した絵やボードを見せるための台です。描くときの力がかからないので、細い作りで見た目のよいものが多いです。
イーゼルの高さは座って120cm 立って150cmが目安
椅子に座って描くなら高さ120cmほど、立って描くかF20号以上の大きな絵なら150cm以上が目安です。
座って描くのに高すぎるイーゼルを選ぶと、絵の上のほうを見上げる形になって首が疲れます。逆に立って描くのに低いと、腰をかがめたまま描くことになります。
高さを何段階かで変えられるものを選んでおくと、座る日も立つ日も1台で済みます。180cmほどまで伸びるものなら、大きなキャンバスにも対応できます。
| 描き方 | 高さの目安 | 絵の大きさの例 |
|---|---|---|
| 机に向かって座る | 50cm前後の卓上型 | F4号(約33×24cm)ほど |
| 椅子に座る | 120cmほど | F6号からF15号ほど |
| 立って描く | 150cm以上 | F20号(約73×61cm)以上 |
もう1つ見ておきたいのが、絵の固定のしかたです。立てかけるだけのタイプは手軽ですが、絵が斜めになるので形がゆがみやすいです。上下から挟んで固定するタイプなら、絵がまっすぐ立ちます。透明水彩のように水を多く使う人は、絵を水平にできるイーゼルを選ぶと絵の具が垂れません。
日本語で「画架」と呼ばない場面 結婚式や会議のイーゼル
イーゼルは絵を描く人だけの道具ではありません。結婚式のウェルカムボードや、お店の前のメニュー看板を立てる台も、同じくイーゼルと呼びます。
こうした場面では、日本語の「画架」はまず使いません。式場やお店の人に「画架を用意してください」と言うと、かえって伝わりにくいです。そのまま「イーゼル」と言うのがおすすめです。
会社の会議でも、大きな紙を立てて書き込むための台をイーゼルと呼びます。紙の束を載せて使う大判のメモ用紙は「イーゼルパッド」という名前で売られています。
ウェルカムボード用のイーゼルを選ぶときは、ボードの大きさと重さを先に測っておきます。A2サイズほどの軽いボードなら、細い展示用の三脚型で足ります。木の板や額に入った重いボードは、脚が太いものか、受け皿の奥行きが深いものを選ぶと倒れにくいです。
式場によってはイーゼルを貸し出していることもあります。持ち込む前に、借りられるかどうかを式場に聞いておくと荷物が1つ減ります。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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