店の前にメニューを出したいのに、イーゼルとパネルスタンドのどちらを買えばいいか分からない。ここで止まる人が多いです。違いは脚の形と置ける場所だけで、載せるパネルの大きさと、屋内か屋外かが決まれば1台に絞れます。読み終わるころには、自分の店や式場に合う型と素材が決まります。
イーゼルスタンドは、パネルを立てて見せるための3本脚の台
イーゼルスタンドとは、ポスターや看板、メニューのパネルを立てかけて見せるための台です。3本の脚で自立するので、壁がない場所にも置けて、パネルの入れ替えが手でできるのがいちばんの利点です。店の入口、受付、展示会のブースで使われています。
もともとは画家がキャンバスを載せて絵を描くための道具で、日本語では画架と呼びます。今はその形を借りて、見せるための販促ツールとして売られているものが大半です。
描く用のアトリエ型と、見せる用のディスプレイ型は別物
同じイーゼルでも、絵を描くためのアトリエイーゼルと、パネルを飾るためのディスプレイイーゼルは作りが違います。アトリエ型は角度や高さを細かく変えられる代わりに重く、値段も上です。
ディスプレイ型は構造が簡単で軽く、脚を開いて立てるだけで使えます。店や式場で使うなら、迷わずディスプレイ型を選んでください。絵を描く予定がないのにアトリエ型を買うと、重くて出し入れが面倒になります。
「イーゼル」「イーゼルスタンド」「画架」は同じ物を指す
通販や看板屋のサイトでは、イーゼル、イーゼルスタンド、ディスプレイイーゼルと呼び方が分かれていますが、指している物は同じです。看板屋はスタンド看板の仲間として扱い、画材店は画架として扱います。
探すときは「イーゼル」だけで検索すると絵画用が混ざるので、「イーゼルスタンド」か「ディスプレイイーゼル」で探すと見せる用だけが出てきます。
パネルスタンドやA型看板との違いは、脚の数と置ける場所
イーゼルと似た物にパネルスタンドとA型看板があります。イーゼルは3本脚で斜めに立てかける形、パネルスタンドは1本の支柱に台座が付いた形、A型看板は板そのものが2枚で自立する形で、この3つは脚の形で見分けられます。
置ける場所も違います。イーゼルは奥行きが要る代わりに雰囲気が出て、パネルスタンドは省スペースで、A型看板は重くて屋外向きです。
パネルスタンドは1本脚に台座、キャスター付きもある
パネルスタンドは支柱1本と台座で立つので、イーゼルより奥行きを取りません。キャスター付きや、パンフレットを入れる棚が付いた物もあり、動かす回数が多い場所ではこちらが楽です。
その代わり見た目は事務的になりやすく、カフェや美容室の入口に置くと少し硬い印象になります。狭い通路や、毎日場所を変える受付ならパネルスタンド、雰囲気を出したい入口ならイーゼル、と分けると決めやすいです。
イーゼルが向くのは、雰囲気を出したい店の入口と受付
イーゼルは脚が下に向かって広がる形なので、置くだけで飾り物の台に見えます。カフェのランチメニュー、美容室の料金表、雑貨店の新商品案内、結婚式のウェルカムボードといった、読ませるより見せたい場面に向きます。
逆に、遠くから文字で誘導したい案内板や、風の強い歩道に出す看板には向きません。倒れやすく、パネルも簡単に外れるためです。
屋外の歩道に長時間出すなら、重さのあるスタンド看板
店の外に朝から夜まで出しっぱなしにするなら、イーゼルよりA型看板や台座に水や砂を入れるスタンド看板のほうが倒れません。イーゼルは軽さが利点なので、風が当たる場所では欠点になります。
屋外でどうしてもイーゼルを使いたいときは、屋外対応と書かれたアルミかスチール製を選び、パネルは防水のパックシートに入れてください。木製は雨で反るので、屋外には出さないのが決まりです。
素材は木製・アルミ・スチールの3つ、屋外に出すなら金属
イーゼルスタンドの素材は木製、アルミ製、スチール製の3つに分かれます。雰囲気で選ぶなら木製、持ち運ぶならアルミ、細身で安く済ませるならスチールが目安で、屋外に出すなら金属の2つから選びます。
| 項目 | 木製 | アルミ製 | スチール製 |
|---|---|---|---|
| 見た目 | 温かみがある | 光沢があり色が選べる | 細身でシンプル |
| 屋外 | 不可(軒下まで) | 屋外対応の物なら可 | 可だがさびに注意 |
| 重さ | 重め | 軽い | 中くらい |
| 向く店 | カフェ・雑貨店・ギャラリー | 展示会・イベント | オフィス・展示会 |
木製は温かみが出るが、雨に弱く屋内か軒下まで
木製はいちばん種類が多く、ナチュラルからマホガニーまでの色が選べます。カフェや雑貨店、ギャラリーの入口に置くと、店の雰囲気を邪魔しません。
弱点は水です。雨に当たると反ったり割れたりするので、屋内か屋根のある軒下までにしてください。金属製より傷むのが早いので、長く使うなら年に1回は脚のねじの緩みを見ます。
アルミは軽くて持ち運びやすく、色も選べる
アルミ製は3つの中でいちばん軽く、片手で持って移動できます。朝出して夜しまう店や、日によって置く場所が変わるイベントではアルミが楽です。
シルバー、ブラック、ゴールドなど色があり、黒を選ぶと落ち着いた店にもなじみます。折りたたみ式で収納袋が付いた物が多く、車で運ぶイベント用にも向きます。
スチールは細身で安い代わりに、さびに注意
スチール製は脚が細く、パネルだけが目立つので、展示会やオフィスの受付で使いやすい形です。アルミ製より安い物が多く、台数をそろえるときに助かります。
ただし鉄なので、湿気の多い場所や屋外ではさびが出ます。屋外で使うなら塗装がしっかりした物を選び、雨のあとは拭いてから片づけてください。
サイズは載せるパネルの規格で選ぶ。A1・B2・A2が店頭の定番
イーゼルスタンドには「A1対応」「B2対応」のように、載せられるパネルの規格が書かれています。先に載せるパネルの規格を決めてから、その規格に対応すると書かれたイーゼルを選ぶのが順番です。イーゼルから先に買うと、パネルが大きすぎて載らないことがあります。
対応サイズはB0からA2まで、卓上はA4以下
看板屋のサイトでは、イーゼルはB0、B1、B2、A0、A1、A2の対応パネル別に分かれています。店頭のメニューやポスターはA1かB2、A2が定番で、歩道から目に入る大きさはA1以上です。
受付やレジ横に置く卓上型は、A4以下の小さな案内やウェルカムボード用です。同じ「イーゼル」でも高さが数十センチから2m近くまであるので、対応サイズは必ず確認してください。
載せるのはポスターパネル・黒板・スチレンボードの3種類
イーゼルに載せる物は、ポスターパネル、手書きの黒板やコルクボード、スチレンボードの3種類が中心です。印刷したポスターを差し替えるならポスターパネル、毎日メニューを書き換えるなら黒板、安く軽く済ませるならスチレンボードです。
屋外に出すときは、ポスターを防水のパックシートに入れてからパネルに入れます。パネルとイーゼルの両方が屋外対応かどうかも見ておいてください。
厚みのある額や黒板は、受けの幅を先に測る
イーゼルの下側には、パネルを載せる受けの棒があります。この受けの奥行きより厚い物は載りません。額に入れた絵や、枠の太い黒板を載せるなら、受けの奥行きと自分のパネルの厚みを先に測ってください。
耐荷重にも差があります。細身のスチール製に重い黒板を載せると前に倒れるので、重い物を載せるときは太めの木製かH型を選びます。
倒れないイーゼルの立て方は、脚を全開にして重心を下げること
イーゼルが倒れる原因は、脚の開きが足りないことと、パネルが上に寄りすぎていることの2つです。脚を止まるところまで開き、受けを低めにしてパネルの重心を下げれば、室内で倒れることはほとんどありません。
- 前の2本の脚を、止まるところまで開く
- 受けの高さをパネルの下端に合わせて固定する
- 後ろ脚を引いて、パネルが少し上を向く角度にする
立て方は3つ、脚を開く・受けを合わせる・角度を決める
1つ目は脚を開くことです。前の2本を止まるところまで開くと、床に接する三角形が広がって倒れにくくなります。
2つ目は受けの高さです。受けの棒をパネルの下端に合わせて固定し、パネルを差し込んでから手を離します。3つ目は角度で、後ろ脚を引いて、パネルの面が少し上を向くくらいにすると前に倒れません。
風の日は重りを掛けるか、店内にしまう
屋外では、脚の付け根に重りを掛けるか、水を入れたペットボトルをひもで脚に結ぶだけでも倒れにくくなります。それでも風の強い日は、無理をせず店内に入れてください。
パネルが飛ぶと通行人にぶつかります。屋外に出す日は、出す前に天気を見て、風が強い予報なら最初から出さないと決めておくと迷いません。
折りたたみ式は、たたむ前にパネルを外す
折りたたみ式は、パネルを載せたままたたもうとして落とすことが多いです。必ずパネルを先に外し、受けを一番下まで下げてから脚を閉じます。
収納袋に入れるときは、金属製なら濡れていないかを確かめてからにします。濡れたまま袋に入れると、スチールはさび、木製はカビが出ます。
店・式場・自宅で使い分ける、イーゼルスタンドの使いどころ
ここまでの内容を、場面ごとに当てはめます。店ならA1かB2の木製かアルミ製、式場なら卓上か腰の高さの木製、自宅なら卓上の木製を選べば、大きく外しません。
飲食店と美容室は、ランチメニューと料金表を入口に
飲食店はランチメニュー、美容室は料金表を、入口の外か中に置くのが定番です。毎日書き換えるなら黒板、月替わりなら印刷したポスターパネルにします。
入口の外に出すなら、営業時間だけ出して閉店時にしまう前提で、軽いアルミ製を選ぶと出し入れが苦になりません。
結婚式のウェルカムボードは、受付の卓上か腰の高さの三脚
ウェルカムボードは受付テーブルに置くなら卓上型、通路に置くなら腰の高さくらいの木製三脚が見た目に合います。式場によっては貸し出しがあるので、買う前に式場に聞いてください。
持ち込む場合は、ボードの厚みが受けに載るかを式の前日までに確かめておくと、当日に慌てません。
自宅では絵や写真を飾る台として、壁に穴を開けずに済む
自宅で絵や写真を飾るときは、卓上イーゼルが便利です。壁に穴を開けずに飾れて、季節ごとに中身を替えるのも手で済みます。
賃貸で壁を傷つけたくない人には、この使い方がいちばん向いています。飾る物が決まったら、置く場所、パネルの大きさ、素材の順に決めれば、1台に絞れます。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
X(旧Twitter)




