
5)評価
【アンケート結果】
ア)会場について
アンケートによると、コンサート会場となった酒蔵についての感想は、次のような結果となった。
○「良かった」と答えた人の意見
・とてもやさしく懐かしい。土のにおいがして最高。
・近所で気軽く参加できた。
・明かりがきれいだった。昔らしさがあった。
・後ろの酒樽がいい。
・変わっていてかっこよかった。
・アロハホールより、酒蔵のようなアットホームな所が、とっても感じが伝わります。
・もし次回があればスタンディングでも良いのでは。人数も多く入るし。
・雰囲気が良かった。音響も思っていた以上に良かった。
・古きよき街、倉吉のことが少し見えた。打吹公園と博物館にしか来たことがなかった。
・堅苦しくないし、自分のふるさとを感じることができたから。秘密基地みたいだった。
・こんなところで聴くのは初めてで新鮮だし、おもむきがあると思った。
・酒蔵でのライヴで落ち着きとジャズが妙にマッチしてとてもよかった。
・古いものを大事にという気持ちと、奏者が身近に感じた。
・土蔵があったかい感じがした。手作りなところが良かった。
・蔵のイメージが変わった。特にアーケード街の活性化につながればと思う。
・雰囲気がとても曲にあっていました。
○「普通・良くなかった」と答えた人の意見
・寒い
・トイレが・・・
・ステージが欲しい。後ろから見えにくい。
・駐車場が遠い、少ない。
・出入り口の外が暗く、足元が見えなくて危険。明かりが欲しかった。
イ)音響について
音響効果について、6割以上の人が良かったと答え ており、おおむね好評であった。
ウ)サービスについて
学生ボランティアのカウンターサービスについての感想も7割近くが良かったとの回答があった。
エ)再来希望 【 また来たいですか 】
またこのようなコンサートがあれば来たいかについてたずねた結果は右のグラフの通りである。
○「はい」と答えた人の意見
・倉吉ではなかなかないから
・なかなかないライヴ形式なので是非来たい。
・リラックスできる。
・市民の集いの基
・参加しやすい。
・トークも含んだコンサートで面白かったから。
・アットホーム、アーティスト、音楽が手に届くところにある。
・ホールやライヴハウスよりお気軽な雰囲気が気に入りました。
・近いし、規模が大きすぎず小さすぎず良いから。
・今回値段と内容がつりあっていて(結構お得感あり)良かったから。
・地元出身のアーティストであれば、ローカルながら支持層があると思う。
・もう一回聴きたいから。
・鳥取ばんざい!地元をどんどん盛り上げて行きたいです!
【出演者コメント】
来場者のみならず、演奏者からも肯定的な評価が寄せられた。演奏者を代表して、門脇大輔氏から次のような公式コメントをいただいた。
「今回、初の土蔵ライヴに出演出来たことは、僕にとって非常にプラスになりました。あの日、倉吉で、僕たちの『新しい音楽』を聴く為に、『由緒ある白壁土蔵群』に約300人近くのお客様が集結したという事実。 それは、故郷倉吉の活性化の一環として、記念すべき第一歩だと実感しました。僕自身、土蔵でライヴを行ったのは初めてでしたが、意外と天井の高い土蔵は音楽をやるのにぴったりで、しかも、たくさんのスタッフの方々の協力もあり、照明、音響設備も整い、何よりたくさんのあたたかいお客様に囲まれて、その独特の空間の中でとても楽しく素直に自分の音楽を表現出来たと思っています。今、僕は東京でミュージシャンとして活動していますが、忙しい毎日の中、危うく忘れそうになっていた『音楽を楽しむ』という心を、あの日、土蔵ライヴで改めて思い出した気がしました。また地元鳥取県で、あのようなあたたかいライヴが実現出来る事を願っています。」
【学生の感想(抜粋)】
当日会場運営に関わった学生ボランティアにも貴重な体験だったという感想が多かった。
貴重な体験をしました。音楽と高田酒造倉庫がとてもマッチしていて、あの空間にいることそのものが幸せでした。もし、またこのような機会があったら是非参加したいです。
雰囲気もとても良かったし、倉吉市の職員の方やいろいろな人と一緒に参加できてよかった。
多くの方々と協力して作り上げていくことのわくわくした気持ちは、大きな思い出になりました。
【広報およびマスコミ取材等】
文字広告:NHK鳥取放送局、日本海ケーブルネットワーク(2006年11月第3週)
倉吉市報(2006年11月15日掲載)
日本海新聞(2006年11月22日掲載、添付資料参照)
当日取材:朝日新聞、日本海新聞
録画・放映:日本海ケーブルネットワーク(当日および2006年11月第4週)
6)考察と課題
打吹地区商店街の古い倉庫を活用して行った今回のイベントでは,予想を遙かに超える来場者を迎え,対応に苦慮するほど盛況であった。人通りが少なく衰退する商店街に,一日にして300人以上の人が訪れたこと自体,画期的なことである。商店街そのものに初めて足を踏み入れたという来場者も多く,高田酒造倉庫という歴史に育まれた空間と,門脇氏たち若いミュージシャンの演奏という組み合わせの「意外性」を楽しんだとの声が多く寄せられた。古い土壁と灯籠の灯りが醸し出す独特の暖かさが,彼らの奏でる新しい音楽の舞台として場を盛り上げた。演奏中に門脇氏が語ったように,このイベントを通して,高田酒造倉庫という空間が新たな目で見直され,人々の心に一つの新しい記憶として共有されたとすれば幸いである。
今回は、通常のコンサート企画に加えて、コンサートホールではない会場をコンサート会場に作り上げることに伴う数々の困難に直面したが、それぞれの実行委員がその人ならではのアイディアを出し合い、足りないものを提供し合うことによって実現にこぎつけた。会場のイメージ作り、設営プラン作りから資材調達、会場内外の環境整備、労働力提供に至るまで、特に地元スタッフの実働に負うところが大きく、これを抜きには、イベントの開催そのものが困難だったと考えられる。また、実行委員会スタッフには名前が挙がっていない多くの理解者・協力者の存在も忘れてはならない。当日スタッフとして働いてくれた学生ボランティア、チケット販売と広告の取りまとめにご協力いただいた地元個人店主、その他、多くの方々の有形無形のサポートがあっての結果であった。
今回のイベント運営の経験が、新たな企画の構想へとつながることを期待している。今後、DOZO de Live at Homeが継続開催される場合、運営の中心を大学スタッフから地元スタッフへとシフトすることによって、より地元に沿った企画が、各方面の協働のもとに実現する可能性は高いと思われる。また、学生を含む若い人たちが企画運営から関わることによって、さらに柔軟な発想で若い人たちを惹きつける企画が生まれる可能性もある。大学には今後もこのような企画に積極的に関わり、若い人と地域をつなぐ役割が期待される。
今回、地元にこのようなイベントのニーズがあること、イベント運営に携わる人的資源があることは感じたが、この倉庫を継続的にイベント会場として活用するためにはいくつかの課題があることもわかった。例えば、今回のように時期によっては暖房が必要であり、今回はストーブを借り、大きな出入り口をシートで覆って対策を取ったが、このプロセスを毎回取るのは非効率である。もう一つソフト面で、電力について、今回はたまたま容量内で収まったが、様々な形のイベントを柔軟に考えるためには、ある程度の余裕のほしいところである。また、隣家と近接しているため、防音対策も必要である。今回は、幸い、近隣5軒の住民の方々がイベントに理解を示してくださったが、継続的に音がすることになると、事情が違ってくることが予想される。アンケート回答にもあったように、最も差し迫った問題は、一つしかない旧式のトイレである。今回は、倉庫外部の近隣の公衆トイレの利用で次善の策を取ったが、トイレの整備によって数と構造上の問題が解決されれば、倉庫のイベント会場としての機能性は飛躍的に高まると思われる。なお、今回は少し離れた市役所駐車場を案内したが、駐車スペースの不足についてはアンケートにおいても指摘があった。観光用駐車スペースの拡充と併せて、対応が必要であろう。
このように、特に環境整備においては必ずしも十分な準備で来場者を迎えられたとは言えないが、様々な不自由にもかかわらず肯定的回答が目立ったことは、このようなイベントに対する地元の強いニーズのあらわれと考えられる。環境整備を進めることによって、この倉庫の活用可能性は一層拡大するであろう。 |